「今」に寄り添う伝統の技?秋田杉桶樽?
桶や樽は古くから穀物の保存や水槽に使われてきたが、日本三大美林に数えられる秋田杉を活用した秋田杉桶樽は桶や樽として日本で初めて国指定の伝統工芸品となった。
秋田杉桶樽の美しさと強さは寒さの厳しい秋田の気候で育った年輪の間隔が狭い秋田杉だからこそ引き出せる特徴だ。
そんな秋田杉桶樽の歴史は古く、秋田城跡からは15?16世紀のものと見られる桶と樽の底板、取手類などの破片が発掘されている。
江戸時代には酒や醤油の需要が増えるに従い、杉材を豊富に産出する秋田では当時の秋田藩主による奨励もあり職人たちの技術が向上した。中でも秋田県能代市は日本有数の木材集散地で「木都能代」と呼ばれる程であり、同市で秋田杉桶樽専門店を営む樽冨かまたは弘化3年(1846年)創業と長い歴史を有している。